2017年12月

«I piatti di Natale»

クリスマス

今年もクリスマスの季節がやってきました。

みなさんが1番楽しみにしてくださっているレッスン。
今年もたくさんの方にご参加いただきました。

私も、料理もテーブルコーディネートもいつも以上に気合が入ります!
今年のテーブルは紺×ゴールド
濃紺に金のプレートがよく映えて、夜空の星って言ってくださった方がいらっしゃいました✨

 

*Antipasto*
Antipasto misto con i frutti

~フルーツを使った2種類の前菜~

果物を使っているので、どちらもスパークリングワインにとってもよく合います。
珍しい果物のお料理と、見た目の華やかさも手伝って、クリスマスに限らずパーティーの前菜にはぴったりなお料理2種類です。

 

«Insalata di pere con formaggio» 
~洋ナシとチーズのサラダ~

ピエモンテで習ったこのお料理。

習った時はピエモンテの美味しい、ロビオラと白カビの2種類のチーズを使いましたが、どちらも日本ではなかなか手に入りにくい物。そこで今回は仙台でも買うことのできる、別のチーズを使いました。
1つはイタリアのウォッシュ系タレッジョ、もう1つはフランスの白カビ系ブリー。タレッジョはウォッシュ系ならではの独特な香りがありますがマイルドで、食べるとクリーミーな食感、やさしいミルク感ながらしっかりとしたコク

もあるとても美味しく食べやすいチーズ。
洋ナシの華やかな香りととろみのある甘さにとてもよく合います。
優しい白カビの香り、ミルクの味が美味しいブリーも、また違った味で洋ナシにぴったり。

洋ナシの甘さを引き立たせる1手間を加え、ピエモンテ特産のヘーゼルナッツの香りと芳ばしさがいいアクセントとなり、切って盛るだけながら見た目も味も華やかな美味しさのアンティパストです。

«Prugne con pancetta al forno»
~パンチェッタを巻いたプルーンのオーブン焼き~

カラブリアのマンマのお家でアペリティーボの時に出されたおつまみ。
あまりにも美味しくって今回みなさんにもご紹介です。

ドライプルーンのコクのある甘味とパンチェッタの塩味がびっくりするほどよく合います。これまたとっても簡単なのに驚きの美味しさです。

 

*Primo*
Spaghetti al ragu bianco
~ラグービアンコのスパゲッティ~

ミンチした肉をトマトソースで煮込むボロネーゼに対して、トマトソースを使わないでつくる、ラグービアンコ。
食材も味付けもシンプルながら、コクと旨みたっぷりなソースに仕上がるには、コトコト長時間煮込むことが必要不可欠。優しく煮詰めながら水分を飛ばすことでぎゅっと凝縮した味に仕上がります。
肉はひき肉を使わずに包丁で手切りにすることで、ミンチながら十分に肉料理の食感と味に。
美味しさを増すためのいくつかのポイントもしっかりお伝えしました。
アレンジ次第でパスタソース以外にもいろいろなお料理に使える万能ラグー。アレンジ料理ももちろんご紹介。
私も大好きなこのラグー、みなさんもお口に入れた瞬間、「すごいコク!めちゃくちゃ美味しいぃ~」ととっても喜んでいただけました。

 

*Secondo*
Pollo al vino bianco al forno
~骨つき鶏もも肉のオーブン焼き白ワイン風味~

ピエモンテで習ったお料理。
現地ではウサギを使ったのですが、今回は鶏もも肉に変えてクリスマスメニューとして登場です。

鶏もも肉のオーブン焼きは1晩マリネするレシピが多いのですが、これは野菜と白ワインと一緒にオーブンで焼くだけ。なのに野菜やハーブ、白ワインの香りが十分お肉に移って手間いらず。
中はしっかり火が通っているのに柔らかジューシー、皮はパリッと芳ばしい、ジャストな火入れをご紹介。ご自宅で特別な食材も手間も時間も欠けずに、プロの仕上がりに。
さっそくクリスマスディナーに作って家族にも大好評でした、との嬉しいご報告をたくさん受けています。

付け合わせはクリスマスなので彩りよく、白くフワフワお花の様なカリフローレと、鮮やかなピンクが美しい紫カリフラワーで。
紫カリフラワーは普通に茹でると残念な色になってしまいますが、化学反応を利用すれば鮮やかなピンクに。これ、もちろん人口着色なんかではなくカリフラワーが持つ天然の色素なんですよ~。

キレイに発色させる方法もご紹介しました。

 

*Dolce*

Panettone e Stollen
~イタリアとドイツのクリスマス伝統菓子 パネットーネとシュトーレン~

今年はイタリアとドイツでクリスマス限定で食べられる伝統菓子、パネットーネとシュトーレンをお出ししました。
私にとって母国日本と同じぐらい大切な2つの国の伝統菓子をご紹介できるのは私にとっても特別です。
最近は日本でも身近になりつつある2つのお菓子、現地ではどう食べるのか、日本のとはどんな違いがあるのかなどお話しました。

お皿にはカッテージチーズと、この秋に作っておいたリンゴジャムを添えてお出ししました。
大きいほうがイタリアのパネットーネ、小さいほうがドイツのシュトーレンです。

 

 

 

 

クリスマスレッスンのウェルカムティーには、毎年ドイツのクリスマスマルクトで買い揃えたマグカップでお出ししています。
クリスマスマルクトでホットワインが入っているこのマグカップ、それぞれの街や年によってデザインが違っていますが、それぞれにすごく素敵で思い出が詰まっています。

ドイツのクリスマスの様子をお伝えしながら、レッスンが始まります。

クリスマスにぴったり、甘い香りの美味しいキャラメルチョコレートの紅茶とともに。

12月はクリスマスと共に、La casa di "Cielo”の誕生月でもあります。

2012年に東京で教室を始めて、今年で5周年!
本当に続けられるのか、不安ばかりでのスタートでしたが、特に今年は参加してくださる方がぐっと増え、レッスンの回数も増やし教室としても充実させることができています。
参加してくださる方がいらっしゃるからこそ、と本当に感謝しています。
クリスマスのお祝いと、日頃の皆様への感謝の気持ちを込めて12月のレッスンではイタリアのロゼのプロセッコをお出ししています。
みなさんとこうして乾杯できる、本当に感謝です。

今年のテーブルを紺×ゴールドにするのは、実は去年のクリスマスから決めていました(笑)
この秋フィレンツェで、思い描いていたテーブルにぴったりなキャンドルを発見!3つもとなるとなかなか重かったのですが、やっぱり買って来てよかった~。理想通りなテーブルになりました。

ゴールドの飾り皿と、金縁のお皿はクリスマスの時だけ登場する特別なお皿。
これを出してくると、気分がぐっと盛り上がり、気持ちも引き締まります。

メニューの文字も紺×ゴールドで。

今年も無事にすべてのレッスンを終えることができました。

来年もみなさまと美味しく楽しいヒトトキが過ごせますように、しっかりと頑張っていこうと思っています。

仙台の誇る美しいイルミネーションと共に✨

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2017年11月

«I piatti con furtti di mare»

魚介のお料理

11月のレッスンでは、10月のイタリア修業で習ってきた魚介を使ったお料理をご紹介しました。

どれも秋から冬にかけて美味しくなる魚介を使った簡単美味しいお料理。
年末年始の人が多く集まる時にも簡単に作れて見栄えもいいのでお勧めです。

テーブルは晩秋をイメージしてこげ茶をベースにシックにまとめました。

 

*Antipasto*
Crostini di mare

~魚介のクロスティーニ~

ヤリイカとエビを使ったクロスティーニ。
程よい大きさに切ることで、イカとエビの香り、食感、甘さを十分に味わえるクロスティーニに仕上がります。魚介の旨みはたっぷりなのに軽やか。魚介に合うオリーブオイルをたっぷり掛けるとさらに美味しく!
とっても簡単ながら、ビールにも白ワインにもスパークリングワインにも合う優秀アンティパストです。

 

*Primo*
Lasagna con salmone
~サーモンのラザニア~

旬を迎えた秋鮭をつかってラザニアに。ソースは簡単混ぜるだけのチーズソース。
とっても簡単なのに、濃厚なコクでとろっとクリーミー。

ベシャメルを作らなくて済むので、ラザニアを気軽に作ることができます。
サーモンは生鮭だけでなくスモークサーモンを使うことで味に奥行きが出るので、ご自宅でも簡単に本格的なラザニアが楽しめます。
大人も子供も大好きな味!

 

 

*Secondo*
Baccala in confit
~バッカラ(塩ダラ)のコンフィ~

バッカラとはイタリアの塩ダラのこと。北欧から届くタラは、保存食としてびっしりと塩がまぶされていて、調理するまでにはまず4日間ほど水を何度も取り換えながら塩抜きする必要があります。
日本にはちょうどいい塩加減の塩ダラがありますから、簡単にバッカラ料理が楽しめます。
今回はスパイスやハーブのいい香りを移したオリーブオイルで低温でじっくり火入れするコンフィをご紹介しました。
このお料理のポイントはオイルの温度を上げ過ぎないようにすること、なのですが、ご自宅に調理用温度計がなくても作れる方法をしっかり覚えていただきました。それさえクリアできれば、後は基本放置プレー(笑)なので、簡単美味しくいつものタラがおしゃれな1皿に。
食べる前はオイリーそうと感じられますが、実はその逆。
タラの美味しい味と香りを香りのいいオイルが引き立て、さらに塩ダラの持つ塩分だけで、調理では加塩しないのに絶妙な味に仕上がります。お皿にソースとして掛けるのも、もちろん香りのいいコンフィのオイル。さらに

みなさんテーブルでお皿の上に追いオリーブオイルで楽しまれていました。
タラの新しい1皿としてラインナップに加えていただけたことと思います。

 

*Dolce*

Mela cotta con crema di balsamico ai fichi
~焼きりんご いちじくバルサミコソース~

今月は旬を迎えた紅玉を使って焼きりんごをお出ししました。

りんごはゴロっと丸ごと、焼いている間に皮が剥けないようにひと手間加えると、中までしっとりジューシーに仕上がります。中に詰めたバターや砂糖、シナモン、焼いている間にあふれることなく余さずリンゴの中に閉じ込められますし、ね♪

温かいリンゴに添えるのは定番アイスクリーム。
さらに相性のいいイチジクの入ったバルサミコクリームを掛けて、ちょっぴり大人の焼きりんごのできあがり。

 

 

 

 

テーブルのお花は、秋らしい色合いと質感のドライフラワーのブーケを飾りました。

メニューは秋らしい文字色で。

 

ウェルカムティーには、寒くなるとほっと嬉しい、甘い香りのするバニラの紅茶をお出ししました。

2017年9月

≪北イタリアで習ったお料理≫

ここのところ夏野菜を使った南イタリアの料理が続いたので、久しぶりに北イタリアで習ったお料理ばかり3品ご紹介しました。

北イタリアらしい味や食材を使った秋らしいお料理です。

 

テーブルはちょうど今頃、紅葉が始まる前の初秋の森をイメージしてみました。

 

*Antipasto*
Sformatini di raddichio di Chioggia con crema di zucca

~トレヴィスのスフォルマティーニカボチャのソース添え~

ヴェネチアで習ったお料理。
スフォルマートとは野菜を柔らかく火を通しペースト状にしてから、ベシャメルや生クリームなどと合わせ蒸し焼きにするお料理の総称で、イタリア全国でいろいろな野菜で作られますが、今回はヴェネチアのあるヴェネト州の特産、ラディッキオ(赤チコリ)の中でも日本で手に入りやすいトレヴィスを使っています。ソースには今旬を迎えているかぼちゃを使い、美しい秋色に仕上がります。
色だけでなく、旬を迎えたカボチャはそれだけで十分甘く、生クリームやチーズでコクのあるスフォルマートと味のコントラストも美味しくいただけます。
難しそうに見えるこのお料理、実はとっても簡単なんです。
見た目も美しいのでおもてなし料理としてもぴったりです。

 

*Primo*
Linguine con salsiccia e funghi

~サルシッチャとキノコのリングイネ トマトクリームソース~
ボローニャで習ったお料理。
実はイタリアでは珍しいトマトクリームソース。
でも日本人は大好きなお味。
しかも今回は、イタリアの生ソーセージ、サルシッチャとイタリアの秋の味ポルチーニと日本の数種類のキノコ。
美味しくないはずがありません!って組み合わせ(笑)なので、みなさんにご紹介するのが楽しみでした。

サルシッチャは日本ではなかなか手に入りませんので(しかも高い!)、他の食材を使ってサルシッチャそっくりに代用。
ポルチーニも日本でフレッシュを入手するのは至難の業ですので(しかもこれまた高い!)、イタリアで購入したドライを使いました。ドライのポルチーニをより美味しく食べられる裏技もご紹介。

ドライのポルチーニだけでは寂しいので、フレッシュキノコも。
使ったのはその名の通りコリコリとした食感の美味しい秋田県産のあわび茸と簡単に手に入るしめじを。
秋らしさ満点、コクとうま味たっぷりの簡単絶品パスタです。

 

 

 

*Second*
Madaglioni di maiale con panatura di grissini

~グリッシーニの衣の豚肉のひとくちコトレッタ~

ピエモンテ州で習ったお料理。
グリッシーニはみなさんご存知スナックの様な細長い棒状のパンですが、ピエモンテ州の郷土パンです。
それを細かく砕き、ローズマリーと合わせて衣にします。

豚肉はひと手間で驚くほど柔らかく。
パン粉の衣よりもカリッカリの食感に仕上がり、ローズマリーの爽やかな香りと相まって、大人も子供も大好きな味に!

ビールと最高に合いますよ~。

 

*Dolce*
Frutti di autunno

~秋のフルーツ いちじくの甘露煮とブドウ~

ドルチェには秋のフルーツ、いちじくの甘露煮とピオーネを生クリームと共にお出ししました。

いちじくの甘露煮は東北でも特に宮城県と福島県で食べられる、郷土食。まだ熟す前の青いイチジクから作られます。

あく抜きの為に2回茹でこぼしてから、3時間煮込み一晩置いてから翌日水分を飛ばすためにもう1度煮る。

手間暇掛かりますが、宮城ではこの時期には欠かせない大切な郷土食の1つ。

今年は初挑戦してみました。

ジャムともコンポートとも違う食感、青いイチジクを使っているので香りも違っていて、地域ならではの美味しさです。
今回はイタリア料理の締めらしくなるように、ピオーネと合わせて生クリームを乗せてドルチェに。
宮城っ子のみなさんには、こんな食べ方初めてと驚かれましたが、生クリームと合わせるとそれだけでケーキを食べてるみたいな美味しさ。
とっても喜んでいただきました。

 

テーブルが初秋の森をイメージしているので、お花も森や野原で摘んだ来たような雰囲気にしました。

前半はコスモス。

後半は実ものを使って実りの秋っぽくしてみました。

今月のメニューはテーブルと合わせ、秋らしくこげ茶とブドウ色で。

 

ウェルカムティーには秋らしくマロングラッセティーをお出ししました。

芳ばしい栗の甘い香りの紅茶です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年8月

≪I piatti del Sud d'Italia≫

南イタリアの魚介や野菜を使った料理

8月のレッスンでは、イタリア本土の最南端2州、ブーツの形のイタリアのつま先部分のカラブリア州とかかと部分のプーリア州の魚介や旬の夏野菜を使ったお料理3品をご紹介しました。
7月中旬から1か月間、太陽が出ることなくずっと雨続きで涼しかった仙台。
恋しい太陽をテーブルに呼び込むべく、オレンジ色のクロスでお迎えするつもりだったのですが、最初のレッスンの前日から太陽と夏の気候が復活!
急きょ涼し気な水色のクロスと水色のお皿で、爽やかさを演出しました。
お花はずっと恋しかった太陽の様な鮮やかなオレンジ色で挿し色に。

 

*Antipasto*
Zucchine stufata/Calabria
~ズッキーニの蒸し焼き/カラブリア州~
カラブリア州、トロペーア産の赤玉ねぎと言えば、イタリアでは知らない人のいない、美味しい赤玉ねぎとして有名です。
ズッキーニも美味しいものがたくさん採れる地域。身近にある野菜を使ってシンプルに、でもその野菜の持つ美味しさ、旨みを最大限に生かした料理です。

弱火でじっくりと焦がさず、ズッキーニと玉ねぎ自身の水分でひたすら甘味を引き出しながらトロリとなるまで火を通します。こうすることで驚くほど甘く優しい味わいに、合わせて入れるオレガノの夏にぴったりな爽やかな香りが引き立ちます。
食材も、調味料も(このお料理は塩だけです)、手順も本当にシンプルなのに、食材の持つ美味しさを最大限に引き出す調理法でこれ以上ないって言う美味しさに仕上がる、イタリア人、イタリア料理って、本当にすごい!っていつも思うんです。このお料理はその最たるもの。
これ以上ないって言うシンプルさで、十分な美味しさです。
イタリア人ってすごい!!!

 

*Primo*
Tajeddha/Puglia
~タイエッジャ/プーリア州~
ムール貝とズッキーニやトマトなどの野菜をお米と一緒にオーブンで焼き上げる、プーリア州の郷土料理。
プーリアでは新鮮なムール貝がたくさん捕れるので、なんと生で食べるんです!ムール貝をよく食べるイタリアでもさすがに生で食べるのはプーリアだけかと。

実は宮城県でもムール貝がよく捕れます。牡蠣棚の厄介者として捨てられていたムール貝、最近では市場やスーパーでも普通に見かけるようになり、特に今の季節市場には毎日新鮮な物が入荷されるので今回みなさんにご紹介しました。
石巻産のムール貝です。
もう見たことがない大きさ!中身もぎっしりぶりゅんぶりゅん、お出汁はわんさか出てきます。

このお出汁を使ってお米を炊いていきます。
ムール貝のダシと野菜の出汁、たっぷりと吸い込んだお米が美味しくないはずがない!!!
 大きなムール貝は火を通しても身が縮まることも、硬くなることもなく、旨みたっぷり。
パエリアの様に見えますが、仕上がりはおじやのようで日本人には馴染みがあり、このお料理嫌いな人はいないんじゃないかと断言できます(笑)
しかも具材を積み重ねて火を通すだけ。これまたこれ以上ないっていうシンプルさで失敗知らず。見栄えもいいのでお客様のおもてなし料理にもぴったりです!

*Secondo*
Pesce spada con cipolla in agrodolce/Calabria
~カジキのソテー 赤玉ねぎの甘酢煮乗せ/カラブリア州~

これまたカラブリアの特産品カジキと赤玉ねぎを合わせた、カラブリアらしいお料理。

アグロドルチェとは甘酢煮のことで、イタリアではいろいろな野菜をアグロドルチェにして食べるのですが、このアグロドルチェの特徴は、たっぷりの赤ワインを一緒に煮込むこと。
そのため甘酸っぱいだけでなく、深いコクが出てより一層美味しく、そして美しい色合いで仕上がります。

宮城県もカジキが特産の1つで、生の美味しいカジキが簡単に手に入ります。
加熱用の切り身はもちろん、お刺身用のサクも普通に買えるのがすごいところ。
市場に行けば、内臓や骨、血合いを取り除いたほぼ半身のカジキが塊でドーンと置いてあって、それをスライスしての量り売り。この写真のカジキ、隣のミニトマトや新聞の文字からわかると思いますが、厚さ4cm、重さ1.4kg!!!
もちろんお刺身で食べられる新鮮さ。
イタリアの魚市場みたいでしょ!さっすが仙台(笑)
別に中央卸売市場ではなく、市民の台所『仙台朝市』の魚屋さんでこれですもの~、仙台から離れられなくなります(*´艸`*)
そして生のカジキの美味しいこと!身は焼いても柔らかくジューシー、脂たっぷり旨みたっぷりで、ソテーにぴったりの厚切り。
コクのある甘酸っぱい玉ねぎに全く負けることのない存在感のカジキ。これまたとても簡単なのに、色合いの美しさ、味のバランス、日本では珍しい味の組み合わせ。レストランの様!とみなさんに喜んでいただけました。
甘酢煮はカジキに限らず、いろいろな物に合わせられるのですが、意外なあの食材に合わせると美しいオードブルにも。そんなご提案もさせていただきました。

 

*Dolce*
Composta di pesche
~桃のコンポート~

宮城県は果物王国、山形県と福島県に挟まれているので、美味しい果物が豊富に安く手に入るのですが、桃もその1つ。
東北の桃は固めなのに甘くて美味しい。なので実はとってもコンポート向き。
ということで8月のドルチェは桃のコンポートをお出ししました。
甘さ控えめに美しいピンク色に仕上げました。

今月のメニュー。
ウェルカムティーにはドルチェと揃えて、旬の最後を迎えている白桃のアイスティーをお出ししました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年7月

≪Il gusto e profumo di estate≫

夏の味と香り

梅雨が明け本格的な夏が来る前に、夏に美味しい味や香りのするお料理3品をご紹介しました。
夏に美味しい旬の野菜をたくさん使い、さっぱり食べられるお料理ばかり。
火を使うのも最小限、手順も簡単!
夏のキッチンは暑くて大変ですもんね💦
作るの簡単、食べて美味しい、夏向きです!
テーブルはセコンドとドルチェにレモンを使うので、パルマで買ったレモン柄のクロスで。全体的に爽やかな色合いで揃えました。

*Antipasto*
Carpaccio di melanzane
~ナスのカルパッチョ~
米ナスを薄めにスライスしてグリル。上には味の濃くて甘味と酸味のバランスが絶妙な山形産や宮城産の中玉トマトを。
ナスもトマトも夏の旬野菜。本当にシンプルな料理ですが、旬の野菜の美味しさと、質のいいオリーブオイル。さっぱりとした味わいながら、旨みたっぷり。彩りも美しい、夏に美味しい1品です。

 

*Primo*
Panzanella~パンツァネッラ~

トスカーナの夏の郷土料理。
古くなってカチカチになったトスカーナパンを酢水に浸して柔らかく戻し、夏野菜と合わせサラダ仕立てにするお料理。
盆地で夏の暑さがことさら厳しいフィレンツェではさっぱり冷たいパンツァネッラが本当に美味しいんです。塩が入っていない味気のない、みちっとしたトスカーナパン。
湿度の低いイタリアでは数日放っておけばカチカチになりますが、身近な代用品はバゲット、しかも湿度の高い日本ではカチカチになるどころかカビてしまいます。それをイタリアの味と食感に近づけるために工夫を凝らしたレシピでご紹介しました。
爽やかな酸味、夏野菜のさっぱりとした香りと味、日本のじめっとした暑い夏にもぴったりな後引く美味しさで、パンを水に浸すなんていったいどんな料理になるんろうと「?」がいっぱいだったみなさんにも大好評でした。
イタリアでは前菜になることの多いこのお料理ですが、パンを使うのでもちろんプリモとしても、またPiatto unico(ワンプレート)としても使える万能料理です。

 

*Secondo*
Pollo al limone
~鶏むね肉のレモンソース~
さっぱりとした鶏むね肉を爽やかなレモンソースで。
ひと手間加えると、パサつきがちな鶏むね肉もしっとり柔らかくジューシーに仕上がります。
夏に嬉しいさっぱりと食べられる肉料理。実は作るのも取っても簡単。レモンの酸味が爽やかやかでさっぱりしてるのにちゃんとコクもあるこのソース、鶏むね肉以外にもいろいろ合う万能ソース。きっと夏の間活躍してくれると思います。

 

*Dolce*
Torta di limone
~レモンのタルト~

ドルチェにはレモンのタルトをお出ししました。

夏のグリーンレモンで作ったので、コクがあるのにとっても爽やかな香りと酸味が楽しめます。

黄色いタルトにグリーンレモンの皮が映えて美しい色合いに仕上がりました。

テーブルには夏のお花ひまわりを飾りました。
明るくって小さい太陽みたいなひまわり、大好きなお花です。
今月のテーブルにもぴったりです。

ウェルカムティー、今月はマスカットのアイスティーをお出ししました。夏らしい爽やかな甘い香りです。

メニューはレモン色とグリーンでテーブルに合わせて。

2017年6月

≪La cucina calabrese≫

カラブリア料理

今年のイタリア修業から帰国した直後の6月のレッスンでは、今回訪れたイタリアのつま先部分カラブリア州のお料理を3品ご紹介しました。

ご紹介したお料理以外にも、カラブリア独特の食材をいろいろご試食いただいたので、日本にはなかなか馴染みのない州ではありますが、楽しんでいただけたのではないかと思います。

 

テーブルは南イタリアらしく、明るくカラフルに!

イタリアで買い揃えた食器やテーブルクロスを使いました。

 

*Antipasto*
Patate e peperoni fritti
~ジャガイモとグリーンパプリカの炒め揚げ トマトのソース~

カラブリア全土で食べられる郷土料理の1つですが、北ではソースなし、南ではトマトソースあり、と若干の違いがあります。

今回はトマトソースありの南カラブリアバージョンで!
カラブリアらしい、野菜だけの特別なことは何もないいたってシンプルな料理ですが、しみじみ美味しいんですよね~。チーズも肉も魚も入っていないのに、しっかりとしたコクとうま味と豊かな香り。イタリア料理の基本みたいな料理です。
今回はグリーンパプリカではなく、旬を迎えた日本の甘唐辛子と新じゃがを使って旬の美味しさを味わいました。
アツアツよりも常温にして味をなじませた方がより美味しくいただけますので、これから暑い夏にもうれしいお料理です。

 

*Primo*

”Fley” con pesce spada e zucchini

~カラブリアのフジッリ

カジキとズッキーニのソース~

南イタリア全般で食べられる、らせん状のショートパスタフジッリ。
カラブリアの方言ではフィレイとなります。今回は手打ちで作りました!

竹串にぐるぐると巻きつけて作るこのパスタ、麺台も麺棒もパスタマシンもなしで作れるのでご自宅でも簡単に手打ちパスタが楽しめます。

セモリナ粉が入るのですが水だけで練るので、食感はツル&モチ。
この食感と、水分を吸い込んでくれるので味がたっぷりしみ込むのが手打ちパスタならでは。
丸まると太った旬を迎えたズッキーニ、カジキの旨みを吸い込んで本当に美味しくなってくれます。カラブリアもカジキの漁が盛んですが、ありがたいことに宮城県も水揚げ日本一!冷凍されていない生のカジキは火を通してもパサついたり硬くなったりしないで本当に美味しいんですよね~。東京から来たときにあまりの美味しさにびっくりしたものです。

なのでこのパスタ、美味しくないはずがないんです(*´艸`*)
ミントの香りが南イタリア感をぐぐっとアップしてくれます。
ズッキーニは緑と黄色で彩よく!

 

*Secondo*
Sarde impanate al forno
~イワシのパン粉重ね焼き~
美しい海にぐるりと囲まれたカラブリア。今朝捕りのさっきまでそこの海で泳いでいた超新鮮なイワシをマンマがささっと手開きし作る、そんんなお料理。
『Cucina povera貧しい者の料理』と言われるカラブリアらしく、パン粉には必要最低限な食材しか混ざりませんが、イワシが十分美味しいですからね♪

日本のマイワシも旬を迎えまるまる太って美味しい季節。
とっても簡単なんですが、しみじみとイワシの美味しさを再認識できる、日本人が大好きなお味です。
フェンネルシードを使って、南イタリアの香りをプラスしています。
今回はAntipastoでご紹介したジャガイモとグリーンパプリカの炒め揚げを、Contornoとしてイワシを一緒にお皿へ。お皿はすっかり南イタリアです✨

*Bruschetta di tipico calabrese*
~伝統的なカラブリアのブルスケッタ~
カラブリア料理を語る上で決して外すことのできない重要な保存食が2つあります。
1つが豚の加工肉であるNdujaンドゥイヤ。
もう1つが青魚の稚魚で作るRosa marinaロザマリーナ。
どちらにもカラブリアの特産品唐辛子をたっぷりと使って保存力を高めています。

こちらはンドゥイヤの工場に行った時の物。
私の隣にぶら下がっている大きな塊が特大ンドゥイヤ。(もちろん普通のサイズもあります(笑))
豚の脂の多い部分をミンチにして、たっぷりの唐辛子と合わせ腸詰にし、燻製を掛けて作られる保存食。

イタリアの肉加工品は燻製を掛けずに作られることが多いですが、カラブリアは本土の最南端。さすがに暑いので、燻製が掛かります。
ねっとりとした独特の食感とじんわり広がる

唐辛子の辛味、そしてしっかりとした燻製香。
初めての味ですが、癖になるんです、この味。

脂の多い部位なので、ろうそくの火で温めて食べると、辛味と香りが増してより美味しく。
この味に虜になる方続出しました(笑)

もう1つのロザマリーナ。

これは青魚の稚魚を唐辛子と塩で漬けこんだ保存食。

写真はロザマリーナを今でも伝統的な製法で作り続けている工場です。

日本の漬物と同じでしょう?
びっくりしました(笑)
生の魚を常温で漬け込んでいるのですが、魚醤のような凝縮した香りはしますが、クサヤみたいなものすごい臭いはありません。

樽の中身はこんな感じ。
重石の重さでぺったんこになって いますが、唐辛子の下は魚の稚魚がびっしりです。

さすがにかなりしょっぱいですし、唐辛子も辛いですが、ものすごくコクのある味なので、間違いなく白ごはんにもぴったりです!日本人にとっては(笑)

ブルスケッタにするときはオイルを絡めたあと、トマトと合わせるので塩味も辛味もマイルドになって、とっても美味しくいただけます。

魚の大好きな日本人、これまたとっても美味しい食材です。
イタリア広しと言えど、ンドゥイヤ、ロザマリーナどちらも作られているのも食べられているのもカラブリアだけです。
でもカラブリアの人にとってはなくてはならない、重要な味。
今回はみなさんに前菜としてブルスケッタで召し上がっていただけて、少しでもカラブリアに行った気分に、そして身近に感じていただけたら私もとても嬉しいです。

 

*Dolce*
Pitta fritta con miele di fichi

~いちじくの蜜を掛けたカラブリア風パンケーキ ~
これもカラブリアの郷土菓子。
Cucina povera貧しい物の料理のカラブリア。
パンケーキと言っても、バターも砂糖もバニラもふくらし粉も入りません。小麦粉を水で溶いただけの生地。

上に掛けるのはドライいちじくを作る際にできる副産物のシロップ。
カラブリアのドライいちじくはただ干すだけでなく1度煮るのですが、その煮汁を煮詰めて煮詰めてシロップにした物です。砂糖やはちみつは高価な甘味。使うことは叶いませんので、天然の甘みを無駄にせずに使っていたんです。
手間暇掛けて作られるので今となっては逆に希少な味。
このシロップ、カラブリアですら売られていず、マンマの手作りを譲っていただきました。
優しい甘さながらいちじくの濃厚なコクと香り。これもカラブリアならでは、むしろ今ではカラブリアでもなかなか食べられるものではないので、日本で、お教室のみなさんに召し上がっていただけてよかったです。

 

今回のカラブリアでは、今までとは全く違うイタリアを、というかたぶん今では消えてしまってなかなか見ることのできない古き良きイタリアを垣間見ることができたんだと思います。

今回もたくさんのご家庭に赴き、それぞれのマンマ達から料理を教わりましたが、どのマンマのお家も、別に農家でなくても野菜や果物、木の実が自家製なのはもちろん、オリーブオイル、ワインまで自家製。
野菜や果物は旬の一番美味しい時期に収穫して、食べるだけじゃなく全て保存食に加工してまた次の旬が来るまで1年間、ずっと美味しい旬の味を味わいます。

そしてなにより驚いたのは、加工肉まで自家製ということ。そのために豚を飼っているお家までありました。もうびっくりしました。普通の家庭でこんな加工肉が作れるんだ!って。当たりまえですけど、売り物とはくらべものにならない美味しさです。
今までいろいろなイタリアの、たくさんのお料理上手なマンマにお料理を習ってきましたが、こんにどのマンマも普通に加工肉まで作るのは、カラブリアだけです。
当然ものすごい時間も労力も掛かる大変な作業ですが、愛する家族に美味しい物を食べてもらいたい、その一心でマンマ達は台所に立ち続けるんです。本当に頭が下がる思いです。
ずっと貧しい生活を強いられていたカラブリア。
少ない食材を大切に、そして工夫を凝らして美味しく調理する。
Cucina povera貧しい者の料理と言われていますが、北イタリアの豊かな地域の人達が提唱しているスローフード、カラブリアの人達は大昔から、そして今も変わらずごく自然に生活の1部です。
本当に豊かなのはどういうことか、貧しいとはなにか・・・。
今となってはその価値も大いに変わってきていると思います。

そんなこんなでイタリアの文化の広さ、奥深さを体感したカラブリアの修業の旅。みなさんにお伝えしたいことが多すぎて、レッスンが押してしまったのは反省点です💦が、でも聞いたこともなかったカラブリア、知っていただけてそして楽しんでいただけたようなのでよかった♪

2017年4月

≪Il verde della primavera≫

春のグリーン

今年はなかなか暖かくならず、レッスンが始まるころようやく桜の花も咲き始めました。
そんな中4月のレッスンは、一足お先に新緑をイメージして、テーマを『Il verde della primavera~春のグリーン~』にして、お料理もテーブルも新緑色に!
仙台が一番美しい季節は桜でも紅葉でもなく、若葉の季節だと個人的には思っています。青葉城下、杜の都、ですからね。
長かった冬がすっかり終わり、もうすぐ美しい季節がやってくる、その喜びをテーブルにも。

 

*Antipasto*
Insalata calda di piselli e pancetta

~グリーンピースとパンチェッタの温サラダ~
旬を迎えたグリーンピース。
イタリアでもこの時期よく食べられる春の豆の1つです。
より美味しいさや付を調理します。

見た目はベーコン炒めですが、イタリアの調理法にさらにグリーンピースの香りを凝縮させるようにレシピを工夫しましたので、グリーンピース本来の香りとおいしさを堪能できる、ベーコン炒めとは全く違う味になっています。
日本では嫌われ者になりがちなグリーンピース、本当はとっても美味しいお豆なんです。このお料理を食べていただければ嫌いな方でも概念を覆していただけるんじゃないか、と思います。
シワが寄らないポイントもお伝えしましたので、つるりと美しい見た目で作っていただけます。

旬のものはやっぱり美味しい!

 

*Primo*
Pappardelle con crema di fave
~ソラマメのピュレのパッパルデッレ~
この季節になるとイタリアでもソラマメがたくさん食べられます。

イタリアのソラマメは生で食べられるんです!

ソラマメと言えば、ペコリーノ(羊の乳から作られたハードチーズ)と合わせて食べるのがイタリア流。
今回はソラマメとペコリーノを合わせてピュレにし、極太パスタのパッパルデッレに合わせました。
クリーミーなピュレですが、生クリームや牛乳は入っていないので、濃厚なソラマメ味。ほんの少し加えるミントがいいアクセントとなっています。

濃厚なピュレに負けない存在感の極太パスタ、パッパルデッレ。
今回は皆さんに手打ちで作っていただきました。

何度かレッスンで手打ちパスタを作られている方たちは、慣れた手つきで作ってくださいました。

初めての方たちも、みなさん悪戦苦闘しつつも上手に作っていただきました。やっぱり手打ちのパスタは美味しいですよね!

今回のアンティパストとプリモで使ったサヤ付きのソラマメとグリーンピース。
大量のお豆を剥くのは大変ですが、やっぱり剥きたてのお豆は美味しいです。

 

 

 

*Secondo*
Scaloppine di pollo al gorgonzola con spinacini
~鶏むね肉のスカロッピーネ
ゴルゴンゾーラソース サラダほうれん草添え~

スカロッピーネとは薄くしたお肉や魚をソテーするお料理のこと。
今回は鶏むね肉を使い、クリーミーなゴルゴンゾーラソースで。ベビーリーフとサラダほうれん草で春らしさ漂う1皿に仕上げました。
ゴルゴンゾーラは日本でもおなじみの青かび系のチーズ。
独特な香りとスパイシーな味わいが特徴ですが、その特徴ゆえ苦手な方も多いかと思います。

でもこのソース、生クリームもたっぷり使われているのでマイルドでとってもクリーミー。「ゴルゴンゾーラそのままだと食べられないけれど、このソースはとっても美味しい!」とおっしゃる方が何人もいらっしゃいました。
鶏肉とはもちろん、ほうれん草とも相性ばっちり!
ソースはテーブルに置いてお変わり自由に。
みなさん、たっぷり掛けてお召し上がりでした♪
実はこのソース、いろいろな物と合うんです。いろいろな食べ方をご提案しましたので、このお料理以外にも楽しんでいただけると思います。

 

*Dolce*

Torta di formaggio fresco
~レアチーズケーキ~

今月はドルチェもグリーン。
濃厚なレアチーズケーキをセルクルで仕立て、上にキウイを。
彩りだけでなく、キウイの爽やかな酸味が加わり濃厚ながらさっぱりと食べられます。

 

テーブルクロスの色合いに合わせたお花と、メニュー。
皆様がいらした時にお出しするウェルカムティー、今月は桜の香りの紅茶をお出ししました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年3月

«I buoni cibi in TOHOKU»

東北の美味しいもの

日差しはすっかり春めいてきましたが、今年の3月はなかなか気温が上がらず風の冷たい日が続きました。

でもテーブルはすっかり春です。

桜や梅のピンクと菜の花の黄色のテーブルクロスを使って、春爛漫を表現しました。
お料理は魚介を中心に東北の美味しいものを使った料理を揃えました。

 

*Antipasto*
Insalata di polpo e sedano

~タコとセロリのサラダ~

東北の美味しいもの・・・宮城県志津川産のマダコ

西の明石、東の志津川と言われている宮城県が誇るタコの名産地、志津川。南三陸町が面しているのが志津川湾です。

その志津川で水揚げされ浜茹でされたタコを使いました。

もともと旨みや味が濃く柔らかいタコなのですが、それをさらに柔らかく、そして香り高く仕上げるためにひと手間を。みなさん、一口食べて「なんて柔らかいのっ!!!」とおどろかれます♪
イタリア全国の海沿いで食べられるタコのサラダはオリーブオイルとレモンをギュッと絞るのが定番です。
ですが、このタコのサラダはヴェネチア風。タコ自体が旨みと香草の香りを凝縮しているので、むしろレモンが邪魔に感じる美味しさなんです。

身近なタコの新しい美味しさを知っていただけたと思います。

 

*Primo*

Cannelloni agli asparagi

~アスパラガスのカンネッローニ~

東北の美味しいもの・・・山形県産極太アスパラガス

カンネッローニにはリコッタチーズとほうれん草のクリームを詰めるのが定番ですが、今回は旬を迎えるアスパラガスで。

写真だとどれほど太いのか全然伝わらずにもどかしいのですが、みなさん「こんなに太いアスパラガスは見たことがない!」とおどろかれるほど。それでもとても柔らかく、全く皮を剥く必要がないんです。甘みもある本当に美味しいアスパラガスはこの時期ならでは。

ただ、3月に入って急に寒さが戻ったために山形のアスパラガスの出荷が遅れ、前半のレッスンでは残念ながら栃木県産となってしまいました。それでも太く柔らかく美味しいのですが、やっぱり山形産にはかないませんでした・・・。

そのアスパラガスを贅沢にカンネッローニに。
リコッタチーズは脂肪分の少ないヘルシーなチーズ。見た目よりずっと軽やかな味に仕上がります。とっても簡単なのに華やかな見た目と旬の美味しさを楽しめる、パスタ料理を楽しんでいただきました。

 

 

*Secondo*
Calamari ripieni

~ヤリイカの詰め物~

東北の美味しいもの・・・青森県八戸産ヤリイカ

全国港別イカの水揚げ高1位はダントツで八戸港。(県別だと港の数が多い北海道が青森を上回ります)
お陰で仙台でも美味しいイカがたくさん手に入ります。冬イカとも呼ばれるヤリイカ、ちょうど今頃が旬の最後を迎えています。火を通しても硬くならず甘いヤリイカはイタリアでもよく食べられる食材です。
リピエーニはイタリア版イカめし(笑)中身はお米ではなくパン粉がベースとなります。今回はプーリア州で習った南イタリア風をご紹介しました。
日本のイカめしのような「イカ臭さ」がないのに、イカや黒オリーブやケッパーなどの旨みやコク、香りはしっかりと感じられるのはさすがイタリア料理。トマトソースの酸味も加わり、味に幅が出てコクと酸味のバランスが絶妙な美味しさです。

 

*Dolce*

Mousse alle fragore

~イチゴのムース~

東北の美味しいもの・・・宮城県山元町のイチゴ

震災後イチゴの栽培に力を入れている山元町。イチゴが旬を迎え、店頭にも県産のイチゴがたくさん並んでいます。今月はそのイチゴを使ってムースをお出ししました。ゼラチンを使っていないので、イチゴの爽やかな甘みと酸味、香りが引き立つふわっふわな口当たりです。

 

テーブルのお花もクロスに合わせて。

前半はラナンキュラス。

黄色とピンクが混ざったものと淡いピンクの2色。

後半は白とピンクのガーベラで、春らしさを演出してくれました。

今月のメニュー。

文字色も春色で。

お料理の説明の時にお出しするウェルカムティー、今月は春の花カモミールティーをお出ししました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年2月

«I piatti caldi invernali»

冬の温かい料理

1年で1番寒い1か月。

寒い日に温かいお料理を食べると心も体もほっとしますよね。

そこで冬に美味しい温かいお料理を3品揃えました。

テーブルはドイツの味と香り漂うプリモに合わせて、ドイツ料理屋さんやチロルの山小屋をイメージしたカジュアルな大きいチェックのクロスを。

ヨーロッパでは春を呼ぶ花、ミモザを飾り、ナプキンは色を合わせ黄色で。

 

*Antipasto*

Cicoria belga farcita gratinata
~チーズを詰めたチコリのオーブン焼き~

苦みが美味しい冬野菜のチコリに、詰めるチーズはマスカルポーネ!赤玉ねぎなどを混ぜ込んで詰め、オーブンで焼き上げます。
チコリの爽やかな苦みとシャリっとした食感にクリーミーでコクのあるチーズがよく合い、軽やかなキッシュのような味わいに仕上がります。冬に美味しい温かオーブン料理です。

 

*Primo* Jota

~ザウワークラウトと白インゲン豆、ジャガイモのミネストラ~

ヨータという名前のスープは、イタリアの東北の端にあるフリウリ・ヴェネチア―ジュリア州の郷土料理。

オーストリアやスイスなどドイツ語圏との境でもあるアルプスの麓の地域なので、食文化もドイツ語圏の影響が。

イタリアでは珍しく、ドイツの味ザウワークラウトが白インゲン豆やジャガイモのスープの中に入ります。野菜の甘みに酸味のあるザウワークラウトの味と香りがアクセントに。じんわりと体に染み入る美味しさがあるんです。ぽってりとした温かいスープは寒い日にぴったりです。

今月のパンはヨータに合わせてドイツ風の酸味の効いたものにしました。

 

*Secondo*

Arrosto di maiale al latte
~豚肩ロースのミルク煮~

 ボローニャが州都のエミリア・ロマーニャ州のエミリア地方の伝統的なお料理。
豚肩ロースにパンチェッタを巻くリッチなレシピ。ハーブや玉ねぎと一緒に牛乳で柔らかくなるまでコトコト煮ます。お肉から濃厚なだしが出て、まるで生クリームを使ったかのようなコクとうま味、なのにくどくないソースも絶品。
イタリア版煮豚は冬に美味しいこっくりとした美味しさです。

 

*Dolce*
Crespelle con crema di mascarpone al cioccolato

~チョコレートマスカルポーネクリームのクレープ~

ヴァレンタインのある2月のドルチェはココアを混ぜ込んだマスカルポーネクリームを包んだクレープをお出ししました。
マスカルポーネは生クリームほど重たくなく、甘さも控えめにしたので大人に嬉しい美味しさ。
日頃の感謝を込めて皆様に友チョコです♡

 

テーブルに飾ったのはイタリアでは春を呼ぶ花、ミモザ。

3月8日には男性が女性にミモザを贈る習慣があります。

色も形もほんとに春にぴったり!

今月のメニューはミモザ色とクロスのグレーの文字で。

みなさんがいらした時にお出しする紅茶はハイビスカス&ローズヒップティー。
ヴァレンタインなので赤いハーブティーです。

2017年1月

≪L'inverno~冬~≫

2017年最初のレッスンのテーマは『L'inverno~冬~』
冬らしい食材や味のお料理を3品揃えてご紹介しました。

テーブルは新年なので華やかに、パスタによく合うブルーのパスタ皿を挿し色に、真っ赤をテーマカラーにして艶やかに仕上げました。

 

*Antipasto*

Sformato di verdure

~野菜のスフォルマート~

スフォルマートとは野菜を柔らかくして崩し、クリームと合わせふわっと蒸し焼きにするお料理のこと。

今回ご紹介したスフォルマートはベシャメルと合わせ蒸し焼きではなくオーブン焼きにして仕上げます。

いろいろな野菜でできるのですが、今回は今の季節、甘く瑞々しくて味しいカブを使いました。

カブの繊細な香りと優しい甘さを邪魔しないようにベシャメルとの配分を変え、フワっとした口当たりとカブの甘さ、香りがぞんぶんに味わえる今の季節にぴったりのお料理。ベシャメルを使っているとは思えない軽さと優しい味で、1人で全部食べられる!と何人もの方から言っていただきました。
自分で作るとなかなか上手くいかなく難しいイメージの強いベシャメルですが、1点だけ気を付けていただければ失敗知らずの滑らかな仕上がりになるんです。
ポイントをしっかりお伝えしましたので、ご自宅でも滑らかなベシャメルを作っていただけることと思います。上手にベシャメルが作れると、このお料理以外にも美味しいお料理を作れますもんね♪

 

*Primo*

Fusilli con tre tipi di cavoli

~3種のアブラナ科冬野菜のフジッリ~

今が旬の美味しいアブラナ科の野菜3種類を使ったパスタ。

今回はブロッコリーとカリフラワー、それにフィレンツェのあるトスカーナ州では冬に欠かせない特産のCavolo nero、黒キャベツの3種類を使いました。

野菜と仕上げに掛けるチーズ以外、魚も肉も入らないパスタですが、野菜のうま味やコクが味に深み与え、しみじみと美味しいんです。特に今回はいいダシのよく出るうま味たっぷりの黒キャベツを使いましたので、より一層。

黒キャベツは宮城県産。

写真左の緑濃いぼこぼこした大きな葉が黒キャベツ。
仙台では市場に行けば誰でも買うことのできる野菜なんです。

他にももっと身近な宮城県特産のちぢみほうれん草でも同じようにうま味たっぷりで作っていただけると思います。

派手さも華やかさもない野菜だけのパスタは、日本のイタリア料理店ではなかなかお目に掛かれない料理かと思います。

でもイタリアの飾らない日常の家庭の味。身近な野菜とチーズ、味付けもオリーブオイルと塩コショウのみですが、食材の持ち味を上手に引き出し合わせることでシンプルながらうま味たっぷりの味に仕上がるのがイタリア料理のすごいところ、そんなイタリアらしい家庭料理です。

 

*Secondo*
Baccalà alla fiorentina

~フィレンツェ風バッカラ~

バッカラとは塩漬けしたタラのこと。びっしりと塩にまぶされた半身のタラが山積みで市場に売られている様はかなりの迫力というか、日本人にはタラには見えない(笑)

イタリア人は冬になるとよくバッカラを食べるのですが、イタリア中で食べられさまざまな料理法があります。

今回ご紹介したのはシンプルにトマトで煮るフィレンツェ風。
トマトとハーブ、ニンニク以外の野菜は入らないのですが、ローズマリーの香りがフワっと香り煮詰めたトマトソースが濃厚な味です。

甘塩タラを使いますが、普通に調理してもバッカラっぽくはならない・・・のでバッカラ料理を作るときに欠かせないスペシャルアイテムを使ってバッカラに似た食感に。お陰でタラの味と香りも濃くなるので、簡単ながらとっても美味しい冬のお料理です。

 

*Dolce*
Panna cotta di UJIKINTOKI
~宇治金時のパンナコッタ~

1月なのでちょっぴりお正月気分で和ドルチェを。
濃厚な抹茶のパンナコッタに自家製の餡を乗せて宇治金時に。

柔らかめに仕上げ、抹茶の味が濃厚なパンナコッタは絶品です✨

 

 

 

 

 

 

 

今月はつややかな銀色の毛が美しいねこやなぎを飾りました。

触ると気持ちいいんですよね~、まるでにゃんこの肉球を触ってるみたいで(笑)

今月のメニュー

テーブルの色と合わせました